昨日の大地震で私は帰宅難民になってしまった。地震発生時は会社の11階のフロアで業務中で高層ビル特有の長期振動もあり、揺れが収まるまでは動くことも出来なかった。幸い、職場での被害も無く余震を心配しながら周りの風景を見てみると、東京タワーのアンテナが傾いていたが、本体は無事で京浜工業地帯から煙が多少上がっている程度だった。

 地震での被害は無かったが、その後が大変なことになった。電話は輻輳を起こしているのか、固定電話も携帯電話も繋がらない。職場のパソコンはネットワークが生きていたので、これを使って家内との連絡は奇跡的に出来たため無事を確認した。実家の母は家内の職場から10分程度なので確認をお願いしたが、信号が消えておりたどり着くまでに時間がかかったが無事を確認。しかし、ルイは一人でお留守番中で安否確認が出来ない状態となってしまった。

 私も帰宅手段が全く無くなってしまった。茨城から都内に通勤しているため歩いての帰宅は不可能で、生きている交通機関を探すことにしたが暗がりでの行動は危険なため会社に留まって一夜を過ごすことにした。会社には非常食と水の備蓄があったため、社員に乾パンと水が準備されたため一夜を過ごすには問題が無かった。(プチプチで防寒対策を考えたが空調が動いていたので不要だった)

配られた乾パンで一夜を過ごす

 夜になり通信状況は改善してきて電話も徐々に回復してきたが、結果として手持ちの携帯はNTTの回線契約をしている方が安定して使えた。AppleのiPhoneはソフトバンク回線だが安定性が悪かった。基地局の問題もあると思うがNTTの安定性に感謝した。(NTTの携帯電話はルイのマイクロチップに登録してある携帯電話番号なので2台持ちの状態)

 医療関係の仕事をしている妻は職場でギリギリまで踏ん張ってからの帰宅となり、信号機が消えた道路を渋滞に巻き込まれながら帰ったそうで、ケージの中で震えているルイと再会出来たのは深夜近くなっていた。幸い、家は電源が切れても深夜電力で動作する蓄熱暖房を導入していたので寒さに震えることは無かったようである。共働きで飼い主が不在中の大地震でルイはどれだけ心細かったかと考えると飼い主として考えてしまう。

 夜が明けて、公共交通機関は乱れているものの動き出した様なので帰宅を試みることにした。会社に居ればインターネットが生きているためリアルタイムで情報が手に入るが、帰宅中はiPhoneが頼みの綱になる。迷ったがTwitterを急遽インストールして生の情報を得ることにした。これが結果的に大正解で、駅での掲示板やアナウンスの情報以上に正確な情報が飛び交っていた。

 つくばエクスプレスも被害は少なく、自宅の近くの駅までは動いていたので都内を様々な路線を乗り継いで北千住で無事につくばエクスプレスに乗ることが出来た。最後の2駅は利根川にかかるつくばエクスプレスの橋が損傷していたので、流山おおたかの森から東武野田線経由で柏に向かい、常磐線で取手へと乗り継いで何とか茨城県までたどり着いた。ただ、取手駅は帰宅難民であふれ返っており、バスも守谷方面に向かう路線は元々無いので自宅までの帰宅手段が無い。

駅の広場でバスを待つ人々

取手駅の周辺は帰宅難民で大混雑

 公共機関は諦めて、自宅までの10キロを歩くことにするが自宅から家内に車で迎えに来てもらうことにし、信号が復活していたので取手駅に近い距離で無事に合流し自宅にたどり着いた。被災から24時間が経過していた。

 ルイは全身で喜びを表しながら私を出迎えてくれた。ルイを抱きしめながら、我が子の無事を確認した喜びってこんな感じなのかと、ふと考えてしまった。本当であれば、事前の計画では今日から那須高原に犬旅に出かける予定だったのに、、、。家族全員が無事だったのが不幸中の幸いとしよう。

(「わがままワンコとの生活」SSブログより移動)